
17年。
数字にすると短いようですが、人生で考えれば決して短い時間ではありません。
途中には、会えない時期もありました。
ケンカもしました。
もう終わるかもしれないと思ったこともあります。
それでも、彼女は私のそばにいてくれました。
なぜ17年も続いたのだろう。
今日は、その理由を考えてみたいと思います。
何でも話せる人だった
最初は恋人ではありませんでした。
何でも相談できる女友だち。
家庭のこと。
仕事のこと。
悩みも愚痴も話せました。
「この人と話すと楽になる」
そんな存在でした。
彼女と出会ったのは、当時のメル友サイトでした。
母の介護について相談したことがきっかけです。
私ひとりに介護の負担がのしかかっていたこと。
仕事と介護の両立で、心も身体も疲れていたこと。
そして、配偶者の協力を得られないつらさについても話しました。
彼女は、まず私の話を聞いてくれました。
そして最後に、介護認定を受けることを強く勧めてくれました。
当時の私は、日々のことで精いっぱいで、そこまで頭が回っていませんでした。
彼女の助言を受けて介護認定を申請し、その後の母の介護はずいぶん楽になりました。
今思えば、私たちの関係はここから始まったのだと思います。
恋愛感情より先にあったのは、
「この人になら話せる」
という安心感でした。
私を変えようとしなかった
彼女は、私に何かを強く求めることはありません。
「こうしなさい」
「こうあるべき」
そんなふうに、自分の考えを押しつけることもほとんどありません。
もちろん、意見が違うことはあります。
時にはケンカもします。
それでも最後には、
「あなたは、どうしたいの?」
と、私自身の気持ちを尊重してくれます。
不思議なものです。
変えようとされると、人は反発したくなります。
でも、ありのままを受け止めてもらえると、自分から変わりたくなる。
そして、自分の人生をこれからどう生きるのかも、以前より考えるようになりました。
彼女に変えられたわけではありません。
彼女と一緒にいるうちに、少しずつ自分が変わっていったのだと思います。
苦しいときも、そばにいてくれた
17年間、楽しいことばかりだったわけではありません。
仕事のこと。
家庭のこと。
親の介護。
自分たちの健康。
そして、これからの人生のこと。
コロナ禍では、3年間会うことができませんでした。
もう、このまま会えないのかもしれない。
そんなことを思った時期もあります。
私は強いドライアイを患い、朝、目を覚ましても焦点が合わないほどになりました。
失明するのではないかという不安から、彼女の存在を家族に知られないよう、連絡先を含めたデータをすべて消してしまいました。
そのため、私から彼女へ連絡することはできなくなっていました。
それでも再び私たちをつないだのは、彼女から届いた一通のメールでした。
「お元気ですか?」
たった、それだけ。
でも私には十分でした。
長い間会えなくても、彼女の中から私が消えていなかった。
そして、私の中からも彼女は消えていませんでした。
17年という時間の中には、こうした小さな出来事がいくつもあります。
苦しいときに大げさな言葉で励ますのではなく、必要なときに、そっと言葉をかけてくれる。
それが彼女なのだと思います。
私は支えているつもりだった
長い間、私はどこかで、
「彼女を支えてあげたい」
と思っていました。
彼女にも、いろいろな事情があります。
体調のこと。
家族のこと。
将来のこと。
だから私が支えなければ、と思っていたのです。
でも、17年を振り返ってみると、少し違いました。
支えられていたのは、私の方でもありました。
母の介護に悩んでいたとき。
家庭のことで苦しんでいたとき。
身体の不調に不安を感じていたとき。
いつも話を聞いてくれた人がいました。
うれしいことがあれば、一緒に喜んでくれる。
落ち込んでいれば、そっと言葉をかけてくれる。
そして、私が間違っていると思えば、きちんと意見も言ってくれる。
恋人というより、
人生の伴走者。
今の私には、そんな言葉の方がしっくりきます。
17年続いた理由
なぜ彼女は、17年間も私のそばにいてくれたのか。
考えてみましたが、結局、私には彼女の本当の気持ちは分かりません。
それは彼女にしか分からないことです。
ただ、私の側から17年を振り返って思うことはあります。
特別なことをしてきたから続いたわけではありません。
毎日のメール。
何気ない会話。
一緒に食べる昼ごはん。
手をつないで歩く時間。
そして、会えないときには次に会える日を待つ。
そんな小さな時間を、ふたりで積み重ねてきました。
17年という年月は、最初からそこにあったわけではありません。
一日が一週間になり、
一週間が一年になり、
気がつけば17年になっていました。
彼女は、ある日突然、私の人生を変えたわけではありません。
少しずつ、
静かに、
私の人生を変えてくれたのです。
そして今になって思います。
彼女が17年間そばにいてくれた理由を考えていたはずなのに、
いつの間にか、私が17年間彼女を必要としてきた理由を書いていました。
たぶん、それが私なりの答えなのだと思います。

コメント