
私は67歳です。
同年代の彼女がいます。
穏やかな関係です。
触れれば安心し、
目を合わせれば言葉はいりません。
抱き合えば、
馴染んだ肌の温度がじんわりと伝わってきます。
それはそれで、
十分に幸せなのです。
それでも若い肌に欲情する
それでも――
若い肌に惹かれます。
張りのある腕。
吸いつくような首筋。
まだ誰の色にも染まりきっていない匂い。
ふと想像するのです。
あの若い身体に触れたら、
私の指先はどんな熱を思い出すのだろう、と。
まだ自分は、
若い女に相手にされるのだろうか。
誘えば、
身体を預けてくれることがあるのだろうか。
そんなことを考える夜があります。
これは見栄ではなく肉の欲
これは承認欲求ではありません。
若く見られたいわけでも、
男として褒められたいわけでもない。
もっと単純で、
もっと始末の悪いものです。
体の欲望です。
若い肌を撫でたい。
張りのある腰に手を回したい。
耳元に息をかけた時、
ぴくりと反応する若い身体を感じてみたい。
ただ、それだけです。
頭で否定しても、
股間の奥のどこかが黙っていません。
欲しいのに怖い
けれど同時に、
怖さもあります。
相手の性生活は分からない。
性病のリスクもある。
軽い火遊びのつもりで近づいて、
思わぬものを背負うかもしれない。
そして何より――
彼女と交わるとき、
自分の心が曇らないか。
若い肌の張り、
若い肉の締まり、
そんなものを知ってしまった後で、
今の彼女の裸を
まっすぐ愛せるのか。
そこが引っかかるのです。
得ても失うものがある
若い肌を得られなかった未来と、
若い肌を得て、
妙な罪悪感を抱える未来。
どちらが自分らしいのか。
考えてみると、
悶々としている今の方が、
案外、平穏に暮らせるのかもしれません。
欲望は消えません。
消すつもりもありません。
男である限り、
たぶんこの手の妄想は墓場まで持っていくのでしょう。
静かな夜に欲望を寝かせる
今はただ、
若い肌を考えないと決める夜もあります。
隣にいる彼女の肌に手を置き、
この温度だけを感じて眠る夜です。
その静けさもまた、
私の人生なのだと思います。
若い肌に欲情する自分も、
彼女の肌に安らぐ自分も、
どちらも本当です。
その間で揺れながら、
今はまだ、
理性の側に立っていたいと思っています。

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