
このブログを始めて、1年半ほどが経ちました。
この間、本当にさまざまな質問をいただきました。
その中でも、もっとも多かったのが、この問いです。
「なぜ、不倫をしたのですか?」
道ならぬ恋を否定される方も、もちろんいらっしゃるでしょう。
一方で、純粋な疑問として、「どうして、その道を選んだのだろう」と知りたいと思われる方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、道ならぬ恋の当事者として、できるだけ正直に答えてみたいと思います。
「不倫をしたかった」わけではない
私は子どもの頃から、「幸せな家庭」に強い憧れを抱いていました。
同年代の男性と比べても、結婚願望は強かったのかもしれません。
父と母は不仲で、離婚と復縁を繰り返していました。
その姿を見ながら育った私は、「自分は温かい家庭を築きたい」と強く願っていたのです。
だからこそ、妻と出会い、恋に落ちたときには、大きな期待を抱きました。
妻がいて、かわいい子どもがいる。
多少の意見の違いはあっても、お互いに譲り合いながら、仲睦まじく生きていく。
そんな家庭生活を夢見ていました。
結婚した以上、私は配偶者と人生を歩んでいくつもりでした。
今振り返っても、まさか自分が「不倫」と呼ばれる立場になるとは思っていませんでした。
「不倫をしたかった」のではありません。
相談相手との出会いが、結果として道ならぬ恋になってしまった。
私の感覚としては、それがいちばん近い表現です。
結婚生活に、問題はなかったのか
妻とは仕事を通じて知り合いました。
「同期の中でも優秀な人」。
そんな評判の女性でした。
私は、仕事の上でも切磋琢磨できる夫婦関係を理想としていました。
家事も子育ても積極的に分担しようと思っていましたし、実際にそうしてきました。
けれど、結婚生活が始まると、少しずつ違和感を覚えるようになります。
妻は家事をやらない。
正確には、「できない」と言ったほうが近いのかもしれません。
会話も、言葉のキャッチボールというより、一方的に思ったことを吐き出すことが多くなりました。
違和感はありました。
それでも、子どもが生まれると、日々の忙しさの中で、その違和感は埋もれていきました。
最近、「ふたりでいる孤独」という言葉を耳にします。
私は、その孤独を結婚当初から感じていたように思います。
そして、子どもが独立した今も、その感覚は変わっていません。
もちろん、「だから不倫しても仕方がない」と言いたいわけではありません。
本来なら、夫婦で乗り越えるべき問題だったのだと思います。
彼女との出会い
42歳の頃、私は寂しさを紛らわせるために、当時流行していたメル友を探しました。
メールだけなら不倫にはならない。
思っていることを話せる相手がほしかったのです。
会わないための担保として、あえて大阪の人を選びました。
けれど、メールのやり取りは現実の友情へと変わり、やがて恋愛へと発展していきました。
東京と大阪。
遠距離の恋は7年間続きました。
別れたあと、私は「もう家族だけを見つめて生きていこう」と心に決めました。
ところが、50歳を迎えようとしていた頃、母の介護が必要になりました。
妻の助けを得られない状況の中で、私は再びネットに助けを求めました。
当時は、無料のメル友サイトがありました。
母の介護について相談を書き込んだのです。
その相談に返事をくれたのが、今の彼女でした。
彼女は、介護認定を受けることを強く勧めてくれました。
介護に追われていた私は、そこまで頭が回っていませんでした。
彼女のおかげで介護認定を受けることができ、その後の介護はずいぶん楽になりました。
最初はメールだけの関係でした。
けれど、数か月後、「一度会ってみませんか」という話になりました。
実際に会ってみると、お互いに好印象でした。
公園を歩き、動物園へ出かける。
話題は介護のこと、仕事のこと、日々の暮らしのこと。
最初から恋愛感情があったわけではありません。
気づけば、良き相談相手になっていました。
自分の弱さを見せられる相手でもありました。
「この人の前では、無理をしなくていい。」
そう思えたことを、今でも覚えています。
罪悪感がなかったわけではない
もちろん、戸惑いはありました。
既婚者である私が、女性と二人で会う。
「このまま進んでいいのだろうか」
何度も自分に問いかけました。
会うのをやめた時期もあります。
このまま終わらせようと思ったこともありました。
それでも、会いたい気持ちは消えませんでした。
会うたびに、その存在は大きくなっていったのです。
不倫を肯定したいわけではない
彼女との関係は、現在も続いています。
この生き方を、誰かに勧めたいとは思いません。
この関係によって傷つく人がいることも分かっています。
世間から批判される理由も理解できます。
だからこそ、
「不倫は素晴らしい」
とは言えません。
それでも、もし聞かれるなら。
「なぜ、不倫をしたのですか?」
そう問われたとき、私はこう答えると思います。
「人を好きになることは、必ずしも正しい順番で訪れるわけではないから。」
そして、もうひとつ。
「あの出会いがなければ、今の私はいなかった。」
もし人生をやり直せたとしても
おそらく、この答えに納得できない人もいるでしょう。
「ただの言い訳だ」と感じる人もいると思います。
それでも、これが15年以上続く、道ならぬ恋の当事者としての本音です。
正解だったのかは、今でも分かりません。
けれど、もし人生をやり直せたとしても。
私はきっと、あの日の彼女から届いた介護の返信メールを開き、そして、また話を始めるのだと思います。

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