我が家~四季の移り変わり

※このブログでは、60代の私が、これまでの生き方・日常・身体・性などについて、正直な言葉で綴っています。

スポンサーリンク

私たちが使っているホテルは、いつも同じです。

隣り合って建つ二つのホテル。

そのうちの一つが、私たちの「我が家」です。

どちらも試したことはあります。

でも、部屋の造りや受付の対応に少し差があって、それ以来ずっと同じホテルを使っています。

「なんで今のホテルになったんだっけ?」

「そうねぇ。たしか隣のホテルは造りが悪かったとか…」

そんな曖昧な記憶をたどりながら、
私たちはいつものホテルを「我が家」として使っています。


スポンサーリンク

家賃

家賃の支払いは、いつも私です。

俗にいうホテル代ですが、
デート代は男が持つもの。

昭和生まれの私としては、小さなことですが、
それが自分なりのダンディズム。

だから家賃は、私が支払います。


洗面台の排水

月に2、3回。
せいぜい4時間ほど使うだけの我が家です。

それでも、ときどき洗面台の排水が悪いことがあります。

水がなかなか流れていきません。

シャワーを浴びたあと、歯を磨こうとすると少し困ります。

もし本当の我が家なら、私が直すか、業者に修理を頼むでしょう。

でも、ここは仮初め(かりそめ)の我が家。

次の時間帯には、別の人が使うかもしれません。

修理のお願いは、室内テーブルに置いてある
「お客様からの一言」というメモに書きます。

「次にこの部屋になった時には、直っていますように…」

そんな願いを込めて、一言メモに託します。


駅への道程

我が家から駅までの道には、
ふたりの小さな思い出がいくつもあります。

駅へ向かう道は、とても狭い道路です。

一方通行のその道には、
10メートルおきに大きな桜の木が植えられています。

我が家でお互いに身も心もさらけ出し、
すっきりして外へ出ると、そこには満開の桜。

「願はくは 花の下にて 春死なむ
そのきさらぎの望月のころ」
― 西行法師

西行法師の気持ちが、よく分かる季節です。


突然の豪雨。

道路の補修工事の影響で排水がうまくいかず、
道路が水浸しになったこともありました。

ふたりで傘をさしながら、
水に浸かっていない場所を探して
ピョン、ピョンと跳ねるように歩きます。

私が子どもの頃、
初めて傘を買ってもらった日のことを思い出しました。

わざわざ長靴を履いて、傘をさして外に出た、あの日を。


我が家は川沿いに建っています。

いわゆる「リバーサイド」です。

秋が深まると、
駅へ向かう道は少しずつ暗闇に包まれていきます。

そんなとき、川の草むらから虫の音が聞こえてきます。

「あっ、虫が鳴いてるね」

日本人でよかった。

そんなことを、ふと思います。

外国人には、虫の音は雑音にしか聞こえないそうです。


凛とした空気に満たされ、
空まで凍えそうな夜。

駅へ向かう途中の歩道橋。

階段を上りきると、そこには月があります。

満月が、くっきりと夜空に浮かんでいます。

数か月前までは半袖だったのに、
もうコートなしでは歩けません。

「綺麗だね」

ふたり並んで、
満月と会話しているような時間です。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました