
ブログ「天使の卵」を書き始めて、1年10か月ほどになります。
最初から、誰かに読んでもらうために始めたわけではありません。
きっかけは、20年以上前に付き合っていた大阪の彼女でした。
私が43歳くらいの頃だったでしょうか。
彼女との恋の思い出を、何かの形で残しておきたい。
それが、このブログの始まりでした。
▶ このブログで綴った、大阪の彼女との最初の話「大阪の人」

残っているのは、断片的な記憶
20年以上も前のことです。
当然、忘れてしまったこともたくさんあります。
どんな会話をしたのか。
どこへ行ったのか。
何が先で、何が後だったのか。
もう時系列さえ、はっきりしないことがあります。
それでも、頭の中に写真のように残っている場面があります。
「これは奈良だった」
そこまでは分かる。
でも、奈良のどこだったのかは思い出せない。
そんな記憶です。
手元には、当時の御朱印帳やパンフレット、駐車場の半券、なぜ取っておいたのか分からない枯れ葉まで残っています。
彼女と撮った写真やプリクラもありましたが、それは捨ててしまいました。
今になれば、残しておけばよかったと思うこともあります。
彼女の顔を確認できる写真は、もうありません。
残っているのは、私の記憶だけです。
過去の恋から、今の恋へ
大阪の彼女との思い出を書いたあと、ブログは今の彼女との話へ移っていきました。
▶ 今の彼女との物語の始まり「次なる恋~きっかけは母の介護」

今の彼女とのことを書いていると、不思議なことに昔の記憶が突然よみがえることがあります。
以前、それを記事にしたことがありました。
すると女性読者の方から、
「まだ好きなのですか?」
「未練があるのですか?」
というようなコメントをいただきました。
未練があるわけではありません。
私にとって「天使の卵」は、自分の人生にあった恋を記録する場所でもあったからです。
でも、そのコメントで気づきました。
ブログは、もう私一人だけのものではなくなっていたのですね。
定期的に読んでくださる方がいる。
今の彼女との話を読んでいるところへ、突然昔の彼女が出てきたら、戸惑う方がいても不思議ではありません。
その記事は、一度公開したあと取り下げました。
今は、今の彼女を書きたい
もう一つ理由があります。
私はブログを書くと、その世界にかなり入り込みます。
出来事を思い出し、そのときの気持ちを考え、言葉にしていく。
書いているうちに、もう一度その恋の中へ入っていくような感覚があります。
今、私の心の中にいるのは、今の彼女です。
彼女とのことを書けば書くほど、
「あのときの気持ちは、こういうことだったのか」
「私は彼女を、こういうふうに愛しているんだな」
と、自分の気持ちが整理されていきます。
だから今は、大阪の彼女について新しく書こうとは思っていません。
思い出は思い出として、私の中に残しておけばいい。
そう思うようになりました。

書くことで、自分の気持ちが分かる
ブログを書き始めた頃は、文章の書き方などほとんど分かりませんでした。
人のブログを読んで、こんなふうに書くのかな、と真似しながら始めました。
大人の恋のブログですから、性愛についても書いてきました。
昔の記事を読み返して、
「拙いな」
と思うこともあります。
一部は書き直しました。
でも最近は、そのときの自分が、そのときの言葉で書いた文章なら、それも残しておけばいいと思っています。
私は、この生き方が正しいとか間違っているとか、誰かに答えを教えたいわけではありません。
ただ、
「60代になっても、こんなふうに恋をして、悩んで、考えている人がいるんだ」
そう感じてもらえれば、それでいいのだと思います。
最初は、昔の恋を忘れないために始めたブログでした。
今では、今の彼女との出来事を書く場所であり、自分の気持ちを整理する場所でもあります。
書きながら、
「ああ、私はこんなふうに思っていたんだ」
と気づくことがあります。
もしかすると、私が「天使の卵」を書き続けている一番の理由は、そこにあるのかもしれません。
恋のこと。
愛すること。
年齢を重ねること。
そして、自分がどう生きていきたいのか。
これからも、答えを教えるためではなく、自分が経験したことを、自分の言葉で書いていきたいと思っています。

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