抱擁

※このブログでは、60代の私が、これまでの生き方・日常・身体・性などについて、正直な言葉で綴っています。

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私たちのデートには、ひとつ小さなルーチンがあります。

部屋に入り、扉が静かに閉まった瞬間――
言葉より先に、そっと抱きしめ合うのです。

服越しでも伝わる彼女の体温は、
不思議なくらい私を落ち着かせてくれます。

最初の頃、彼女は
「うっ、ちょっと…」
と戸惑った声を漏らしていました。

けれど、その戸惑いが腕の中で少しずつほどけ、
やがて観念したように抱き返してくれる。

あの瞬間に触れるたび、
私は心の中で「やっと会えた」と思うのです。

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ふたりきりの時間も同じように

ふたりきりになったあとも、始まりはやはり抱擁です。

私がベッドで待っていると、
シャワーを終えた彼女がバスローブ姿で静かに戻ってきます。

ベッドの脇に腰を下ろし、
そっとこちらを振り返る。

その仕草には、
言葉にしない優しさと、少しの期待が混じっています。

私はバスローブを外し、肩を引き寄せ、
深くゆっくりとキスをします。

呼吸が重なるたびに、
気持ちが静かに高まっていく。

そしてそのまま、
彼女の身体を包むように抱きしめるのです。

体温が溶け合うまで

抱きしめたまま、しばらく動かない時間があります。

彼女の胸が上下するたび、
その呼吸が少しずつこちらに移ってくる。

ふたりの体温が、
静かに溶け合っていくような感覚です。

耳元に聞こえる息遣いが、
「ここにいるよ」と伝えてくれているようで、
それだけで胸の奥が温かくなります。

腕の中の彼女は、最初は少し硬い。

けれど次第に肩の力が抜け、
身体を私に預けてきます。

その変化が、たまらなく嬉しいのです。

私は彼女の背をゆっくり撫で、
頬を寄せ、首筋にそっと唇を触れさせます。

触れただけで、彼女が小さく息を吸う。

その反応が、ひどく愛おしい。

言葉よりも伝わるもの

気持ちの距離も、
身体の距離も、
こうして静かに縮まっていきます。

彼女は両腕を私の背に回し、
ぎゅっと引き寄せるように抱き返してきました。

安心と甘え、
そして少しの照れが混じった抱き方です。

「…あったかいね」

小さくこぼれたその一言に、
私はまた唇を重ねました。

長いキスではありません。

けれど、それだけで十分でした。

抱きしめることから始まり、
抱きしめることで深まっていく。

私たちにとってこの時間は、
何度繰り返しても欠かせないものです。

触れ合う前に、
まず心を重ねているのかもしれません。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    ステキです

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