
「なんか落ち着く」
彼女が何気なく言った、その一言が忘れられません。
若い頃なら、「かっこいい」「すごい」と言われたかった私です。
でも60代になった今、一番うれしかった言葉は、「落ち着く」でした。
若い頃の私は、勘違いをしていました。
男は強い方がいい。
大きい方がいい。
上手い方がいい。
女性はそういう男を求めている。
本気でそう思っていました。
でも違いました。
彼女と長く付き合う中で、少しずつ分かってきたことがあります。
女性が求めているのは、
安心して身を任せられる男
でした。
最近、聞く彼女の言葉。
「あなたといると安心するの」
「何をしていても、あなたとなら楽しい」
若い頃は急ぎすぎていた
若い頃の私は余裕がありませんでした。
早く相手の反応が欲しい。
満足させたい。
男として認められたい。
そんな気持ちばかりでした。
でも今は違います。
彼女を抱き寄せても、すぐには先に進みません。
背中に手を回す。
髪に触れる。
そのまま少し時間が流れる。
すると彼女が静かに体を預けてきます。
その瞬間、
急がなくていいのだと思います。
彼女が嫌がることはしない
以前、後ろからの体勢を試したことがあります。
いわゆるバックです。
一般には情熱的な体位と言われます。
でも彼女には合いませんでした。
少し体が固くなるのが分かりました。
そこでやめました。
代わりに、彼女が安心する体勢に戻しました。
すると彼女の力が抜けました。
その時思いました。
女性は技術ではなく、
安心できること
を求めているのだと。
無理をさせてまで続ける理由はありません。
二人が安心して笑える時間の方が、
私にはずっと大切だからです。
女性は言葉で開く
彼女は、褒めると反応が変わります。
「今日、肌きれいだね」
そう言うと、
「もう、そういうこと言うんだから」
と言いながら少し笑います。
同じ愛撫でも、反応が全然違う。
私を抱く腕に力がこもります。
女性は体だけではなく、
心が開いた時に体も開く。
これは経験して初めて分かったことです。
大事なのは触れ方だった
若い頃はテクニックばかり考えていました。
どう動くか。
どう見えるか。
どう思われるか。
でも今は違います。
触れる時に考えるのは一つだけです。
大切に触れているか。
それだけです。
ゆっくり触れると彼女の呼吸が変わります。
優しく触れると力が抜けます。
その反応を見ると分かります。
昔は抱きしめる時も力が入っていました。
今は違います。
肩にそっと手を置くだけで、
彼女は安心したように目を閉じます。
人は強く触れられるより、
優しく触れられた方が安心するのでしょう。
年齢がくれた色気
若い頃は色気とは見た目だと思っていました。
若い頃は、
「かっこいい」
と言われたいと思っていました。
今うれしいのは、
「一緒にいると落ち着く」
という言葉です。
若さは時間とともに失われます。
でも安心感は、
年齢を重ねた人にしか出せない魅力なのかもしれません。でも今は違います。
清潔感。
匂い。
安心感。
彼女に会う日は身だしなみを整えます。
特別なことではありません。
でも彼女が以前言った言葉があります。
「なんか落ち着く」
それが嬉しかった。
若さではなく、
一緒にいて安心すること。
それが大人の色気なのかもしれません。
男は年齢とともに変わる
60代になって思います。
若い頃は、
女性に愛されたいと思っていました。
今は、
女性を安心させられる男でありたいと思います。
年齢は若さを奪います。
でも、
人を大切にする力は、
少しずつ育ててくれる。
もしそれが本当なら、
年を重ねることも、
悪くない人生なのだと思います。
大きさじゃない。
回数じゃない。
技術じゃない。
女性が求めているのは、
大切にされているという実感だ。
そして最近思うことがあります。
彼女が安心した顔で横にいる時、
若い頃の自分より、
今の自分の方が、
女性を幸せにできているのかもしれない。
年齢を重ねるのは終わりではない。
むしろ―
男としての本当の魅力が出てくる時間なのかもしれません。

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