
「〇〇係長のモノって、大きいんだよ」
30年ほど前、同僚からそんな話を聞いたことがあります。
職場旅行で一緒に風呂に入った時に見たそうです。
「係長のモノが大きすぎて、風呂の椅子に座っても床に届きそうだった」
もちろん、本当にそこまで大きかったのかは分かりません。
私は、いわゆる「巨根」と呼ばれるものを実際に見たこともありません。
ただ、男同士では昔から、
「大きい方がすごい」
という話が、どこか半ば伝説のように語られてきた気がします。
そこまで大きかったら
男性は、自分のモノの大きさを気にするものです。
大きい方が女性を満足させられるのではないか。
そんなふうに考える男性も少なくないでしょう。
私自身も、若い頃にはどこかでそう思っていました。
けれど、長く女性と付き合い、セックスを重ねてきて感じるのは、
大きければ、それだけで良いというものではない
ということです。
むしろ、あまりに大きければ、相手によっては痛みや不快感につながることもあるでしょう。
結局のところ、身体には相性があります。
サイズだけを比べても、それだけでは分からないのだと思います。
いくつかあるカードのひとつ
セックスの気持ちよさは、ペニスの大きさだけで決まるものではありません。
キス。
触れ方。
前戯。
声のかけ方。
相手の表情を見ること。
そして、
相手が今日は何を心地よいと感じているのかを知ろうとすること。
私は、そういうもの全部を「カード」だと思っています。
ペニスの大きさも、そのカードの一枚ではあるのでしょう。
でも、それだけではありません。
大きさは、生まれつき持っているものです。
一方で、キスや触れ方、相手への気づかいは、経験の中で覚えていくことができます。
相手を知ろうとすればするほど、持てるカードは増えていく。
私はそんなふうに思っています。
持ち物より持ち主
男は時々、
「大きければ有利」
という話を信じたくなるものです。
でも、セックスは一人でするものではありません。
相手がいて、
その人の身体があり、
その日の気分があり、
その日の感じ方があります。
だから、
「自分はこうすれば女性を感じさせられる」
と決めつけることの方が、むしろ危ないのかもしれません。
大切なのは、
持ち物より、持ち主。
何を持っているかより、
それをどう使うか。
そして何より、
目の前にいる相手を、どれだけ見ているか。
私はそう思うようになりました。
「私たちはベストカップルね」
彼女は時々、言います。
「私たちはベストカップルね」
私の持ち物は、ごく平均的だと思います。
それでも、彼女と長く付き合っているうちに、
「今日はここが感じやすい」
「今日はいつもと違う」
ということが、少しずつ分かるようになりました。
彼女に聞いたことがあります。
「毎回、ほんとにイッてるの?」
彼女は笑うように答えました。
「毎回イクよ。なんでイクふりをしなくちゃいけないの?」
でも、毎回同じではありません。
前回は敏感だったところが、今日はそれほどでもない。
前回は軽く触れるだけで反応していたのに、今日は違う。
挿入してすぐに反応する日もあれば、なかなか波に乗らない日もあります。
そんな時、私は彼女の様子を見ながら、触れ方や動きを変えます。
同じことを繰り返すのではなく、
今日は何が心地よいのかを探していく。
長く付き合ってきたからこそ、分かることもあります。
私は本やネットで性について読むこともあります。
その中で、
「これは良さそうだな」
と思ったものは、彼女と試すことがあります。
そして終わったあと、
「どうだった?」
と感想を聞きます。
良ければ、また一枚、自分のカードが増える。
良くなければ、使わない。
どのカードを切るかは、その日の彼女次第です。
だから私は、
セックスが上手いというのは、技の数が多いことではなく、相手を見て変えられることなのではないか
と思っています。
巨根伝説は、たぶん男が作った伝説です。
もちろん、大きさも個性のひとつ。
でも、それだけでセックスの良し悪しは決まりません。
神様から与えられたお互いの身体。
せっかくなら、
比べるより、
知ること。
競うより、
楽しむこと。
そんな関係でいられたらいいと思っています。

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