
私たちのデートは、
決まって平日の午後、毎回、同じ駅で待ち合わせます。
そして、同じホテルへ同じ道を通って向かいます。
平日の午後の静けさが、“ふたりの世界”への入り口です。
私たちは月に2回、会っています。
多くもなく、少なくもない。
そう言い聞かせるように、このペースを守っています。
ある時、何気なく彼女に聞いてみました。
「俺たちの年代って、月に2回って、どうなんだろう?」
私も彼女も60代です。
少し間を置いて、彼女はこう答えます。
「会えば癒されるし、今のところはこのペースで仕方ないわね」
言葉は穏やかだけれど、その奥に「本当は、もっと会いたい」という気配が滲んでいました。
もちろん、会えばセックスをします。
ここで言う“ペース”は、デートの回数であり、セックスの回数でもあります。
一般的には
一般の中高年のセックスの頻度は、実際どれくらいなのでしょうか。
各種調査を見ると、40〜50代の既婚カップルでは
・月に1回未満、またはほとんどない
・多くても月1〜2回
という層が最も多いと言われています。
60代になると、「年に数回」「セックスレス」と答える割合は、さらに増えます。
私たちは
そう考えると、月に2回、心と身体を預け合う関係を持てている私たちは、
数字だけ見れば“多い方”なのかもしれません。
でも、年齢を重ねた今、回数そのものに意味があるとは、もう思えなくなりました。
若い頃のように、勢いで求め合うセックスとは違います。
会うまでの時間。
駅で顔を見た瞬間の安堵。
部屋に入って、自然に抱き合うまでの流れ。
終わった後、言葉もなく寄り添う静けさ。
そのひとつひとつが、積み重なって、深い満足感になる。
結論は、とてもシンプルです。
回数よりも、気持ちの繋がりが大切。
月に何回かではなく、
「この人と会えてよかった」と、毎回思えるかどうか。
中高年の恋とセックスは、量ではなく、質。
そう実感できる関係こそが、いちばん贅沢なのだと思えるようになりました。

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