
お互いに信頼関係ができてくると、
サイトは退会し、メールでのやり取りへと変わっていきました。
やり取りが続くうちに、
自然と「会ってみたい」という気持ちが生まれてきます。
会ってみませんか?
「会ってみませんか?」
その一言で、都内のシティホテルで会う約束をしました。
実際に会ってみると、
やはりご主人との生活に、どこか閉塞感を抱えている様子でした。
近くのレストランで食事をしながら、
お互いの近況をゆっくりと話します。
メールでやり取りをしていたせいか、
不思議と初対面という感じはありませんでした。
介護認定のこと、日々の生活のこと。
取り留めのない会話なのに、
どこか心地よい時間でした。
デートのあと
別れたあと、いつものようにメールを送り合います。
「今日はありがとう」
「さっき言い忘れたけど…」
そんなやり取りが、自然と続いていきます。
今でも変わらない、私たちのお作法です。
メールは、会話の延長のようなもの。
その中で、少しずつ距離が縮まっていきます。
お互いに好印象だったこともあり、
「また会いたい」という気持ちは、同じでした。
梅の季節
それから、何度か会うようになりました。
最初のデートは、梅の咲く頃。
その日の空気や景色は、
今でもはっきりと記憶に残っています。
ふたりで歩いた時間が、
静かに積み重なっていきました。
「また、梅を見に行きたいね」
そんな言葉を、今でも交わすことがあります。
少しだけ、踏み込んだ話
やり取りが続くうちに、
会話の内容も少しずつ変わっていきました。
冗談を交えながら、
お互いの距離を確かめるような話題。
「ホテルに行ってみる?」
そんな言葉も、
どこか軽やかに行き交うようになっていきました。
まだ決定的な一歩ではないけれど、
ふたりの間に、確かに何かが芽生え始めていた――
そんな時期だったのだと思います。

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