
私は、かつて汗かきでした。
もちろん、愛し合っている時も、彼女の胸に汗をポタポタと落としていました。
あわてて枕元に準備してあるタオルで、彼女に落ちた汗をぬぐうのは日常茶飯事でした。
滝のような汗
「はあ、はあ、はあ…」
私は何度も何度もピストン運動をしています。
それに合わせて、彼女は「あっ、あっ、あっ…」と声をあげます。
だんだん額に汗が出てくるのが分かります。
次第に汗が目に入ってきます。
彼女の両肩の上に置いた右手で、汗をぬぐいます。
ぬぐってもぬぐっても、私の吐く息と比例するように汗は出てきます。
私が動くたびに汗は彼女の胸に落ちていきます。
枕元には汗をふくためのタオルは準備しています。
彼女に体重をかけないために立てている両腕。
ピストン運動をしながら、片手でタオルを取り、彼女の胸の汗を拭きとります。
ふき取ると、また両腕を立ててピストン運動に戻ります。
私に限界が訪れます。
「イッ、イキそう」
「うん、いいよ」
「うっ、イク!」
私は彼女の中でイッテしまいました。
彼女に全体重をあずけると、胸と胸がくっつきます。
私の胸は汗だらけです。
すべてを放出した脱力感と汗まみれ。
しばらくは汗をふく力も失ってしまいます。
彼女の汗はシーツに
「ねえ、昔は汗まみれだったわね」彼女が言います。
「そうだね」
今は、あまり汗はかきません。
むしろ、汗をかくのは彼女。
背中に汗をかくようになりました。
「ああっ、イキそう」
私はピストン運動の速度は変えずに、彼女を責めたてます。
「あっ、イクぅ~」
彼女はイッテしまいます。
終わった後はシーツがびしょ濡れです。
かつては私の汗をふくためにタオルを準備していました。
今は、彼女の濡れた場所のためにバスタオルを準備しています。
彼女にどいてもらい、濡れたシーツの上にバスタオルを敷きます。
気持ちよく、ピロートークが始まります。
歳を重ねるにつれて、ふたりの交わり方は変わります。
これからどのように変わっていくのか。
未知の世界であり、楽しみでもあります。
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