ただ会いたかっただけ
心のすき間を埋めたくて始めたメールだけの繋がり。
1年間、メール交換を続けて、お互いに相手の存在を確かめたくなった。
そして、大阪の南港での楽しい初デート。
実際に会ってみると好印象です。
初めてのデートから戻ってみると、また会いたくなっています。
「また会いたいね」
そんな話で盛り上がりました。
盛り上がった気持ちの中で、恵(けい)は冷静さを取り戻しました。
そして、「覚悟はありますか?」と私へ問い直します。
メル友から恋人へ。
これから変わっていくであろう感情の移り変わりを感じていたのかもしれません。
私は、ただ単に友だち感覚で一緒に奈良を散策したかっただけ。
その一点だけでした。
決断
東京から奈良への旅行です。
最初は日帰りを考えていましが、スケジュールを考えると一泊せざるを得ません。
「別々の部屋に泊まればいいさ」
こんな単純な思考でした。
「行こうよ!」

決断は簡単でした。
第三者の目から見て問題があるのなら、自分たちはプラトニックな関係を保っていけば良い。
恵にそんな思いを伝えました。
「覚悟はあるっていうことよね。分かった。会いましょう。」
恵も覚悟を決めたようでした。
私はといえば、ただ会いたいだけ。
単純でした。
今にして思えば、恵と私の「覚悟」の意味が違っていたのかもしれません。
この決断で私たちは恋人関係になっていきます。
その後、私は現実の結婚生活と恵との関係で苦悩することになりますが、この時の私は知る由もありませんでした…。
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