
書くつもりは、ありませんでした。
思い出というものは、触れすぎると形を変えてしまう気がしたからです。
それでも、心が弱っていた時期のことや、
誰かの存在に救われた記憶は、
静かなぬくもりとして残り続けていました。
このブログは、そのぬくもりを、
そっと言葉にしてみた記録です。
このブログは、2024年12月から、一か月ほどを目安に始めました。
ブログを始めたきっかけは、これまでも何度かお話ししていますが、
自分の文章力を高めたいと思ったこと。
そして、もし読んでくださる方がいるなら、何かしらの参考になればと思い、書き始めました。
他のブロガーさんの表現や、情景・心理の描き方を参考にしながら、試行錯誤してきました。
初めから読んでくださっている方は、お気づきかもしれません。
途中から、文章の校正や作風が少しずつ変わってきています。
実際にあった二度の恋
これまで、私は二度の既婚の恋をしてきました。
一度目の恋はかなり前のことなので、記憶もずいぶん薄れてきています。
それでも、印象に残っている出来事を拾い集めるようにして、綴ってきました。
二度目の恋は、現在も進行形です。
そのため、より具体的に書くことができます。
こうして振り返ってみると、
二度の既婚の恋を経験したことになります。
考え方によっては、ぜいたくなことでもあり、
一方で、結婚生活という視点から見れば、不幸なこととも言えるでしょう。
ただ、いずれにしても、彼女たちに救われてきたのは事実です。
感謝の気持ちしかありません。
ここに書いている恋の話は、虚構でも作り話でもありません。
記憶をたぐり寄せて文章にしてみると、
結婚生活とは別の場所で恋をしてきた自分自身に、
あらためて驚かされます。
今の彼女との出会い
今から15年前のことです。
父が亡くなり、ひとり暮らしをしていた母の介護が始まりました。
私は実家の近くに住んでいたため、ときどき顔を見せる程度でした。
母はあまり活動的ではなく、
買い物に出かける以外は、ほとんど家の中で過ごしていました。
ある日、
「少し認知症が出てきているのではないか」
そんな軽い気持ちで、医師に診てもらいました。
すると、その医師に叱られました。
「ちゃんと面倒を見てあげないとダメだよ」
そこから、介護が本格的に始まります。
といっても、三度の食事と薬の準備が主でした。
一日や二日であれば、どうということはありません。
しかし、仕事以外のほとんどの時間を母の世話に費やす生活が、
何日も、何か月も続くと、次第に精神的な疲れがたまってきました。
配偶者に話しても、どこか他人事のような反応でした。
介護認定という言葉
介護ベッドのレンタルを申し込みに行った際、
「介護認定を受けていれば、安くなりますよ」
と言われました。
「介護認定?」
それまで、興味を持ったこともない言葉でした。
毎日の食事の世話だけで手いっぱい。
介護認定の申請まで考える余裕はありませんでした。
ネットに救いを求めて
私はネットに救いを求めました。
女性なら、友だちに話すのかもしれません。
でも、男は
「実はさ……」
と打ち明けるのが、あまり得意ではありません。
一度目の恋のときも、
配偶者との意思疎通ができない苦しさを、
メル友サイトに求めた経験があります。
その記憶もあって、再びネットに頼ったのだと思います。
出会い系サイトへの登録
時代はすでに、メル友の時代ではありませんでした。
出会い系サイトには、正直、いかがわしい印象がありました。
それでも、思い切って登録してみました。
返事が来るのは、
会話が続かない人、
露骨に関係を求めてくる人ばかり。
確か、ポイント制だったと思います。
ポイントが尽きる寸前に出会ったのが、彼女でした。
私は、ポイントがなくなったら、サイトをやめるつもりでいました。
彼女から届いたのは、ごく普通のあいさつ。
「ん? 普通の人?」
そう思い、ポイントを追加してやり取りを続けてみました。
彼女は、夫との離婚も考えており、
誰かに話を聞いてほしくて登録したとのことでした。
何度やり取りを重ねても、話に矛盾はありません。
私も、
「実は母の介護をしていて、少し疲れている」
と打ち明けました。
すると彼女は、こう言いました。
「介護認定を受けた方がいいよ。
手続きは、思っているより簡単だよ」
彼女は、実際に自分の母親で介護認定を受けた経験があるとのことでした。
出会い系を退会して
彼女も、初めてサイトに登録してみて、
「変な人が多くて驚いた」
と言っていました。
話が合いました。
メールアドレスを交換し、
ふたりでサイトを退会しました。
そこからは、ごく普通のメールのやり取りが始まります。
介護認定の具体的な申請手続きも、丁寧に教えてもらいました。
彼女のおかげで、母は無事に介護認定を受けることができ、
私の負担も、かなり軽くなりました。
母はすでに亡くなりましたが、
彼女への感謝の気持ちは、今も変わりません。
先日のデートでの会話
――たったひとつの秘密
先日のデートで、帰りにシャワーを浴び終えたときのことです。
「そういえば、母の介護認定のときは、ありがとう」
と、私が言いました。
「えっ?」
彼女は少し驚いた表情を見せます。
「母が介護認定を受けてたから、
その話をしただけよ」
まさか、ブログを書いていて思い出したとは言えません。
このブログを書いていることは、
彼女に対する、たったひとつの秘密です。

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