デートでの食事

付き合って15年もたつと、デートの時に食べるものも変わってきます。

私たちは15年間ずっとすき間なく付き合ってきたわけではなく、何度か付き合いが途絶えてきました。

付き合いが復活するごとに食べ物や食べ方が変わってきています。

陽だまりランチ

付き合い始めの頃は、彼女がビーフストロガノフとかサンドウィッチを作ってきてくれました。

ビーフストロガノフは、私の誕生日に作ってくれたものです。

その時は缶ビールも一緒に持ってきてくれました。

暖かい陽だまりの中、ビニールシートを広げて座ります。

「お誕生日、おめでとう」彼女が缶ビールをかざします。

私は年甲斐もなく照れながら小さな声で「かんぱ~い」。

彼女が作ってきてくれたビーフストロガノフを口に入れました。

溶けてしまいそうなほど柔らかく煮てあります。

「ん、美味しい!」

思わず口走ってしまいます。

ビールがすすむこと、すすむこと。

彼女もお付き合い程度に缶に口をつけています。

私は酔いが回れば回るほど饒舌になっていきます。

…ふと気がつくと、

彼女はシートに横になって目を閉じています。

「ん?どうしたの?」

聞いてみると、「酔っ払っちゃったぁ~」と彼女。

どうやら彼女は下戸らしいです。

無理して飲んでくれたみたいです。

その時はもちろん、彼女の目が覚めるまで、彼女の脇でそっとビールを飲んでました。

彼女の寝息を聞きながら、ビーフストロガノフと陽だまりをおつまみにして、ビールを飲むのもなかなか風情があるものです。

食べ歩き

付き合いも慣れてきた頃、駅近の美味しいといわれる飲食店で食事をするのがお決まりとなりました。

いわゆる「食べ歩き」です。

近くにホテルがあれば行きますし、なければ食事だけのときもあります。

あるデートの時、彼女が「コンビニで買っていかない?」と言い始めました。

「いいけど…」と私。

訳を聞くと、飲食店では他の人が気になって落ち着いて話ができないというのです。

その頃は、かなり深いプライバシーの話をするようになっていたので、気になるようになったようです。

それを機会に、スーパーかコンビニで買い物⇒ホテルがデートコースに変わっていきました。

ミルクたっぷりのコーヒー

デートの度に、彼女はサンドウィッチ専門店からサンドウィッチを、スーパーから牛乳を買ってくるようになりました。

ホテルではドリップ式のコーヒーを用意してくれているので、そのコーヒーに牛乳をたっぷり入れます。

ハーフ&ハーフですね。

彼女の買ってきてくれたサンドウィッチを食べながらの会話は楽しいものです。

でも、彼女が買ってきてくれる牛乳。

500㎖のパックです。

余ることもあります。

かといって、それより小さいと物足りない。

で、500㎖のままです。

問題なのは、ホテルから退去の時です。

食べた後の包装紙とか牛乳パックを、テーブルの上にまとめて置いておきます。

ふたりとも清掃の方への気遣いは忘れません。

まとめておいた食べ物の残骸をみて、ふと、彼女。

「毎回、牛乳パックを残していくカップルもいないわよね、きっと。
 お掃除の人は、「また、あのカップルかよぉ!」なんて言ってるかもよ」

私も同感です。

牛乳パックを残していくカップルなんか、なかなかいない。

私もそう思うのです。

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