飯だけ食べたい女

つい先日、私に「パパ活」を勧めた知り合いに会いました。

「よお、久しぶり」

最初から何か言いたげな目をしています。

「あぁ」

あまり関わりたくない私は生返事をしました。

それにもかかわらず、彼は話を続けます。

「どう?パパ活やってみた?」

「いや、興味ない」私は気もなく答えました。

知らない女性に5千円とか3万円とかムダ金です。

そんなお金を使うなら、彼女とおいしいものを食べた方がよっぽどましです。

「そうか。興味ないのか。
 じゃあ、茶飯女子って知ってる?」

「そんなの知らない。聞いたこともない。
 パパ活の延長じゃないの?」

茶飯女子

彼が言うには「茶飯女子」というご飯だけご馳走になる女子もいるようです。

パパ活女子は、食事の時は「1万円のお手当て」+食事代ですが、
茶飯女子は、食事代だけでオッケーなんだそうです。

話だけ聞くと、職場の女の子と食事をしているのと同じように思えてきます。

「会社の子と食事してるのと同じじゃないの?」

彼は答えます。

「おまえ、分かってねえなぁ。
 もしかしたら、もっと仲良くなってチョメチョメできるかもしれないだろう」

そんな都合の良い話があるとは思えません。

相手がイケメンでもない限り、あり得ない話です。

そう思いながら、彼の顔を見上げてしまいました。

「こいつは絶対ない!!」

言いたい言葉を飲み込んで、彼に告げました。

「チョメチョメできると良いなぁ。」

「だ~ろう。人との出会いはロマンだ。
 ロマンが分からないお前には一生訪れないだろうけど」

彼はアハハと笑いながら、向こうに行ってしまいました。

私は心の中でつぶやきました。

「すでに俺にはロマンが訪れてるんだけど…。奴にはゼッタイ話せないな」

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